「機動戦士ガンダム」をテーマに、地球連邦軍とジオン公国軍に別れて宇宙空間で戦うVRアクティビティが2017年11月10日、東京・歌舞伎町にあるVR ZONE SHINJUKUに登場する。「機動戦士ガンダム 戦場の絆 VR PROTOTYPE Ver.」で、バンダイナムコエンターテインメントが2006年から稼動しているアーケード筐体「機動戦士ガンダム 戦場の絆」の名を冠しつつ、8人が同じVR空間に入り、地球連邦軍4人とジオン公国軍に4人に別れて対決するゲームとなっている。提供は2018年1月9日までの期間限定の予定。
「見つけたぞ、連邦の戦艦!」。そう叫びながら足下のペダルを踏んで加速し、両手で握った左右のレバーを操作してモビルスーツを飛ばす。目の前に広がるのは破壊されたコロニーなどがデブリとなって漂う宇宙空間。レバーを操作してデブリをかわしながら、ターゲットとなる戦艦めがけて進んでいく。
「機動戦士ガンダム 戦場の絆 VR PROTOTYPE Ver.」を始めたプレイヤーは、自分が本当に「機動戦士ガンダム」の登場人物になって、宇宙の戦場へと放り込まれた感覚に陥るだろう。レバー操作で左右にも動けば上下にも動いて、地上とは違った場所にいることを強く実感させられる。そんな宇宙空間でジオン公国軍側に立ったプレイヤー、とりわけ赤いザクII(S)、いわゆるシャア専用ザクの搭乗者は、勝利の責任を背負い、手にした対艦ライフルで迫る地球連邦軍の戦艦を破壊するというミッションに立ち向かう。
ジオン公国軍側で残る3人は、緑色のザクIを操縦してザクII(S)に迫る地球連邦軍側のモビルスーツを阻止する。ターゲットは白いモビルスーツのガンダム。残る3機のガンキャノンとは違って、ビームライフルを射撃してザクII(S)を破壊しようとするからだ。そのガンダムを探し出して撃破し、地球連邦軍の戦艦をザクII(S)が対艦ライフルで沈めればジオン公国軍側の勝ち。逆にガンダムがザクII(S)を退け、戦艦を目的地へとたどり着かせられれば地球連邦軍側の勝ちとなる。
このためジオン公国軍側では、ザクII(S)を受け持つプレイヤーの責任がとてつもなく重大になる。カッコいいからといって安易に受け持てば、うまく操れないままガンダムに姿をさらしてビームライフルの狙撃を食らい、戦場から遠ざけられてジオン公国軍を敗戦に追い込むことになる。ほかのザクIたちからどう思われるかを考えると心が痛む。
逆に巧みに操縦できれば、地球連邦軍の戦艦にするすると近づくなり、デブリに隠れてしのび寄って対艦ライフルを発射して戦艦を沈め、ジオン公国軍を勝利へと導ける。勝つも負けるも自分次第というプレッシャーはなかなかのもの。耐えられないならザクIを受け持ち、ガンダムやガンキャノンを阻止してザクII(S)を助ける役に回って勝者となるのも悪くはない。
地球連邦側では、やはりガンダムのパイロットが重責を負う。巨大な戦艦を狙って落とせば勝てるジオン公国軍と違い、遠くに見える赤いザクII(S)を探し出してビームライフルで狙わなくてはいけない。ゲームスタート時に登録するニックネームを頼りに、相手の誰がザクII(S)の操縦者なのかを仲間から教えてもらって見つけるようなコミュニケーションが必要だ。
そのためには、プレイ前の作戦会議もおろそかにできない。地球連邦軍とジオン公国軍に別れた4人ずつのチームは、それぞれの作戦テーブルでどのように戦うかを会議する。ジオン側なら迫る戦艦の右側から行く。連邦側ならデブリに隠れた敵をいち早く見つけてガンダムのパイロットに連絡しよう。そうした打ち合わせをした上でプレイに臨むことで勝利に近づける。戦闘が終わってからは、直前の戦闘をライブモニターでリプレイして自分がどれだけ活躍できたか、仲間の動きはどうだったかを見て戦闘を振り返りたい。
ドーム型のスクリーンに向かい、モビルスーツを操縦して戦うアーケード筐体の「機動戦士ガンダム 戦場の絆」も、コックピットの中から戦場を見渡し、モビルスーツと戦っている感覚を強く得られることで評判になった。「機動戦士ガンダム 戦場の絆 VR PROTOTYPE Ver.」はこれがVRとなることで、左右はどこまでも拡がり、上にも下にも行ける宇宙空間に自分が放り込まれたような気にさせられる。
初心者は新兵としてモビルスーツに登場し、初めて宇宙へと放り出された感覚を味わえそう。何度かプレイするうちに宇宙を飛ぶコツをつかみ、ターゲットをロックしてザクII(S)なら戦艦を沈め、ガンダムならザクII(S)を見つけ出して撃ち落とす感覚を高められる。ザクIやガンキャノンを操る場合も、スピーディにガンダムやザクII(S)を見つけて攻撃を阻止する名バイプレイヤーぶりに浸れそうだ。
「機動戦士ガンダム 戦場の絆 VR PROTOTYPE Ver.」は、4種類のアクティビティを利用できる1day4チケットに入っている「RED」「BLUE」「YELLOW」「GREEN」いずれのカラーチケットでも体験可能。体験人数は最大8名で所要時間はブリーフィングも含んで20分。対象年齢は13歳以上。
VR ZONE SHINJUKUでは現在、「機動戦士ガンダム」関連のVRアクティビティとして「機動戦士ガンダムUC VR 激突・ダイバ上空」が稼働している。VR ZONE SHINJUKUのオープン時かららあった「ガンダム VR ダイバ強襲」が、お台場の実物大ガンダムのリニューアルにともない変更。新たに立ったユニコーンガンダムに合わせ、プレイヤーはユニコーンガンダムの手にすがり、フル・フロンタルが操るシナンジュの猛攻から身を守る。モビルスーツ同士の戦闘を間近で見るという非現実的な体験ができるVRアクティビティだ。